2017年 09月 18日
台風18号通過 |
9月18日。
昨日は台風18号が通過ということで身構えて夜を迎えました。
深夜。
窓がガタガタガタガタ…。
壁もガタガタガタガタ…。
古い佇まいのこの小屋では、どこからともなく隙間風。
いつでもどこでも寝られる特技を持つ私でも目が冴えるくらい。
しまいにはドドドド…となんだか分からない音まで。風の音なのか、風が木や枝を揺する音なのか。
「山が鳴る」
という音はこのことなのかなぁ…などと布団を被って聞いていました。
心配をよそに、翌朝は快晴を迎えました。
特に大きな被害も無し。
ほっ。
さて、本日は所用のため一時下山。
千曲川源流コースは、というと。
数カ所、強風による倒木が登山道上にありますが、避ければなんとか通過できるくらい。
また、沢の水も増水しています。
登山道上にも水が滲み出ているところもありましたが、防水の効いた登山靴ならば問題ないくらいです。
足元はもちろんですが、頭上の落木にも要注意です。
また他のコースについては確認には行っていませんが、沢の遡行や渡渉のあるコースはしばらくは控えた方が良さそうです。
道の上は落葉や枝でいっぱい。
道とそうでないところの区別が分かりづらいかもしれません。
よーく周りを見渡しながら歩きましょう。
山肌も少しづつ色が変わり始め。
紅葉になりかけのこの時期もなかなか良いものですね。
さてこの台風の最中でも、宿泊の方が何組か。
宿泊業で成り立っているこちらとしては、お客さんが来るのはありがたいことでもありますし、台風だからと言って宿泊をお断りするということはありません。
ですが、私個人の感想は
「台風の日に登山、大丈夫?」
と思ってしまうのですが…。
どうなんでしょう?
聞いてみると、みなさん台風が来ているのを知らない訳ではなく、
「このくらいなら大丈夫だと思って」
ということ。
以前にも台風の最中に沢を登ってきて、遭難寸前で小屋にたどり着いたお客さんが言っていたのも同じ「このくらいなら大丈夫と思って」でした。
「このくらい」…。
その「このくらい」の中に、(無意識に)希望的観測は含まれていないでしょうか。
天気予報や、台風の進路予報は、あくまでも予報です。少しの条件の変化で、荒れる時間帯や進路、被害の大きさは大きく変わってきます。例えば甲武信小屋は甲武信ヶ岳を背負っているので、台風が背面を通過する時にはあまり被害は大きくなりませんが、前面を通過すると被害がかなり大きくなります。
でも、これってほんの少しの違いだったりするのです。そして、それは人が判断したってその通りになるとは限りません。
人間の判断する「このくらい」は、もしかすると危険な「賭け」になってしまっている可能性はあるのではないかしら。
仕事や学校の都合などで、どうしてもこの日に登りたい!という気持ちはよーく分かります。
でもせっかく登っても危ない目に遭ったり、「怖かった」という印象しか残らなかったら、なんだかその方が勿体無い。
そんな「賭け」に失敗するのは勿体無いなぁーと思うのです。
秋は台風の季節でもあります。
「このくらいなら大丈夫」は、本当に大丈夫?
ちょっと冷静に考える余裕と、柔軟でかつ慎重な判断を是非。
口はばったいようですが、少しだけ頭の隅に置いておいてもらえるといいなぁと思います。
*予約を頂いていても、悪天候や体調不良などの理由で山行自体が中止になる場合はキャンセル料は頂いていません。
特に悪天候の場合は無理をせず!
キャンセルの場合は必ずその旨をご連絡ください。無連絡でキャンセルされると小屋番も心配になってしまいます。ご協力をお願いします!
ご
by kobushikoya
| 2017-09-18 18:55
| 小屋便り
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