2015年 08月 11日
水のこと |
先週は休暇は休暇をいただきまして、北アルプスの方へ行ってきました。
お世話になった山小屋の水場がすごかった。
小屋から15〜20分ほど下りて行った、ザレザレの斜面の途中にある。4人も立ったらもういっぱいなくらい足場が狭いところ。
小屋の飲料水は、ここで汲んで、人が背負い上げていました。
「山ってやっぱり不便なところなんだなぁ」
と改めて思う…。
そういう不便な場所で人が生活をしていて、毎日日の出や、夕焼けに感動してることに心が動きました。
ちなみに、甲武信小屋の水は、笛吹川の源流から、ポンプで揚げています。
人力で背負うことを考えたら、すごく便利。
蛇口をひねれば、水が出るようになっているので、一見すると一般家庭の水道水のように見える。
実際はどうなっているかと言うと…。
小屋から約10分ほど下った、笛吹川の源流にポンプ小屋があります。
岩の間からチョロチョロ出ているところから取水。こうして見ると、なんとも頼りない流れに見える…。
ここからホースでいったん大きなタンクに貯めます。
で、そこからポンプに引き込みます。
エンジンをかけて、水揚げ開始。
標高差、60メートルくらいでしょうか。
ホースを伝って水が揚がっていきます。
こんな小さいポンプで水が揚がるのも、すごい。
冬場は凍って途中で止まったり、ポンプの不調で揚がらなかったり…。ドコドコドコ順調に揚がるとホッとする。
で、登ってきた水は、小屋裏にある貯水タンクへ。
ここに貯めた水を、水道管を通して小屋へ引き込んでいます。
ポンプは常時回している訳ではなく、貯水タンクの水が減ってきたらガソリンを持って水源までポンプを回しに下ります。
お客さんの多くない時で、週一回〜ニ回くらい。
下界だったら水道局がやっている作業を、自分達でやる。取水もポンプもタンクもホースも、システムが全部丸見え。
これを、面倒と思うか、面白いと思うか…。
面倒だけど、知ってみると面白い。かな?
山小屋の立ってる条件によって、水事情はそれぞれ。天水だったり、近くの沢の水を流しっぱなしだったり…色々。
他の小屋の水事情を知ると「へーえ!」と感心したり、羨ましくなったり。
「水の大切さを知ろう」
とかじゃなく、単純に面白いなぁ、と思う。
不便を知ることも興味深いし、単純なしくみを知るのは面白い。
この夏休み、山小屋泊デビューという人も多いかと思いますが、その小屋がどんな風にお水を引いているか、ちょっと気にしてみると面白いかもしれないです。
…ちょっとマニアックか。
ご
by kobushikoya
| 2015-08-11 12:41
| 小屋便り
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