真夜中の嵐

昨夜はスゴかった。

夜中、ふと目が覚めた。

頭上のトタン屋根がコロコロっと音がした。

「雹だ。

雨じゃない、ひょうだ」

音ですぐわかる。

カラコロカラコロと音がしたかと思うと程なくしてパチンコ屋がひっくり返った様な激しい降りになった。

ものすごい音！

慌てて携帯で雨雲レーダーをみた。

おお！ピンポイントでここが激しい。

あまりの激しい音で完全に目が覚めた。

今夜の天気はノーチェックだった。

しかも雹が降るとは。

暫くすると風も強く唸ってきた。

そして閃光が走る。

ドドドド。

ええええ〜、カミナリもかよ〜。

寝耳にミミズが入った様な夜中の嵐に些かビビり、まんじりとせず過ぎ去るのを待っていました。

3時にはようやく静かになり、ウトウトとして、4時に目覚ましで起きる。

眠い！

朝の気温は0℃。

夜中の嵐は諦めかけていた冬を置いて行った。

積雪は3センチ程度だけど。

テント場も雪。

テラスも雪。

森も雪。

芽吹き始めたナナカマドのつぼみも、雪。

そして

洗濯して干しておいたスリッパも、雪。

食堂からの景色も、ウットリする。

泊まりの登山者も昨夜の嵐から一変した雪景色に皆テンション上がっている。

薄暗かった朝も次第に明るくなってきた。

約50分遅れの日の出。山脈が隆起したかと思う様な厚い雲の上から。

昨夜の嵐は驚いただろうけど、最高の景色に包まれて下山できた運の良い登山者を見送って。

でも、足元はグチャグチャだけどね。

という訳で、軽アイゼンはまだザックに忍ばせてね。

づめ