地図を見ること |
時々小屋にこんな電話がかかってきます。かけてこられる方は、出発前では無くて、今すでに出発している様子。
〇〇、は例えば…、
長坂インター(登山口に辿り着けない…)
西沢渓谷入り口(登山口が分からない…)
甲武信の山頂(小屋に下りる方向が分からない…)
木賊山から小屋に下りる途中(甲武信が見えているのに下りる方向に自信がない…)
「そこで、それ聞く?」
冗談みたいな話ですが、ひと月に何度かはある電話。
電話口で「地図は持っていないんですか?」と聞くと、たいていの人は「持っていますけど…」と答えます。
でもですね。
持っているだけでは役にたたないものなんですよ、地図って。
電話が繋がったから良かったけれど、もし繋がらなかったらどうするんだろうと思いますが…。
そういう人に限って「百名山〇座目です!」なんておっしゃるので、こちらとしては「よく今まで無事でしたね」と思うほかありません…。
登山はあくまでも、自分の力で歩くものです。
それはお友達やガイドさんと歩く時も同じです。
地図や雨具やヘッドランプなど、登山に必須な道具は、何かあった時に自分の身を守る道具です。使い方を知らなければ意味がありません。
山の中は町の中と違って、何かあったら人に聞けばいいという場所ではありません。
せめて今から自分がどんな道を歩くのか、自分が今どこにいるのかを確かめるために地図を見る労力を惜しまないで欲しいなぁーと思います。
それを面倒と思うなら、山登りなんて今すぐやめた方がいいです。
時々「道標が少ない」「わかりづらい」という声も聞くのですが、一般ルートに限って言えば、これ以上分かりやすくしなくてもいいんじゃないかなぁ、と思います(個人的に)。
ここは街中の公園でもないし、遊歩道でもなくて、「登山道」です。
あんまり道標がベタベタとあったら、ますます地図を見ない人が増えるような気がするのは考えすぎかなぁ…。
こんなことを何度も書いていて嫌になっちゃいますが、このところそういうことが立て続けにあったので、改めて。
これからの時期は日中でも気温が0℃近く、夜間は氷点下まで下がります。
その通りだと思います。
と思ってくれる人が普通、と思いたいです…。